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“孤独”は健康に影響する?(後編)

前編に引続き、「7月Newsletter”孤独”は健康に影響する?」後編をお届けします。

 

 

何故”孤独”は体に悪いのか?

では、一体どういうメカニズムで孤独は健康を害するのでしょうか?前編でも記載した通り、それは今まさに世界中で研究が行われているところで、全てが解明されているわけではありません。

ホリスティックヘルスコーチングのセッションを行う中で感じる、孤独が体に良くない理由について思い当たる点は多々ありますが、今回はその中で以下2点について触れたいと思います。

 

①孤独によるストレス

孤独は多くの場合、ストレスを生み出します。元々抱えているストレスを吐き出す場所がないという意味でもストレスが溜まりますし、孤独であるということ自体が本人にとってストレスとなるケースもあります。

過度なストレスが体に悪いことは言うまでもありませんが、ストレスによって自律神経に乱れが生じると、それは健康問題に直結します。人間には本来自然治癒力が備わっており、それは副交感神経が優位な時、つまりリラックスしている時に最も機能します。外部から侵入したウイルスや日々体内で発生するガン細胞(健康な人にでも毎日発生します)も、自律神経のバランスが取れていることで免疫力が高まり、それを淘汰してくれています。

しかし、慢性的なストレスを感じることで、ロセトの人々のように心からリラックスして過ごす時間を確保することが難しくなっている現代人は少なくありません。慢性的ストレスの状況下に置かれることで、自律神経が乱れ、体にはあらゆる不調が現れることになります。また、ストレスによって体にとって有害な活性酸素の発生も増加します。

 

②生きる目的

孤独であることで、生きる目的が見つけにくくなることも、健康にとって有害に働きます。私のクライアントの方々には常々お伝えするのですが、健康とは「目的地」ではなく「乗り物」です。健康になるために生きるのではありません。もし健康になること自体を目的にするなら、生活習慣を本当に転換することは難しいでしょう。ワクワクしないし、モチベーションが続かないからです。そうではなくて、健康になることで達成したい本当の「目的」があるはずです。そしてそれは、生きる目的に繋がっています。つまり、生きる目的がなければ、健康づくりを行うことは、少し難しいものになってしまいます。生きる目的とは、少し想像して頂ければ分かると思いますが、自分一人の世界で、つまり他者との関わり合いなしに見つけることはとても困難です。この観点からも、健康であるためには、人との繋がりが欠かせないのです。

 

 

”孤独”にならないためには?

では、孤独にならないためにはどうしたら良いのか?

コミュニティに属する、友達や家族とコミュニケーションをよく取る、スポーツをするetc、私が言うまでもなくたくさんのアプローチがありますが、根本的なポイントを1つだけご紹介したいと思います。

それは、「自分の軸を持つ」と言うこと。一見孤独にならないことと直接的な関係はないように思いますが、他人との関わり合いを継続するために、重要なポイントです。

最近SNS疲れが話題になっていますが、これだけ多くの人と関われるようになった時代の中、「自分の軸」がないと、他人の発信や他人とのコミュニケーションに振り回されることになり、他人と付き合うことが嫌になってしまいます。

自分はどういう価値観を持ち、何を大切に思っており、どういう人間であるのか。これらに明確に答えられる、つまり自分の軸を持っていることで、例え誰が何を言おうとも、自分の意見がブレることはなく、嫌な思いをしたり傷ついたりすることも極端に少なくなります。そのような相手に対し、疎ましく思ったり排除したりすることもなくなります。自分の価値観がしっかりしていれば、自分とは意見が違うんだな、とサラリと受け流すことができるようになります。そして結果として、自然に、自分が一緒にいて心地良い人間関係を築くことに繋がります。

もちろん、言うのは簡単ですが、これらのことは一朝一夕で為し得ることではなく、ある程度時間をかけて自分と向き合うことで実現していくことです。少し気力のいることかもしれませんが、その後の人生が大きく変わることを考えると、向き合う価値は絶対にあります。少し周りを見渡せば、元々「自分の軸」を持って暮らしている方がいると思いますので、その方々から話を聞くことはとても参考になると思います。もちろんホリスティックヘルスコーチングでもそのサポートができますので、気になる方はご連絡ください。

大切なことなので、最後にもう一度、繰り返します。健康に大切なのは、食事や運動だけではありません。もしかすると、「孤独でない」ことは、それらよりもっと健康に影響しているのかもしれません。

 

 

参照:The Roseto Story: An Anatomy of Health (John G. Bruhn)
友だちの数で寿命はきまる (石川善樹)

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